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皮膚科の新薬について


近年、皮膚科領域で新薬が相次いで発売になっております。当クリニックで処方、治療で使用している主なものをピックアップして説明していきます。

①乾癬治療薬

オテズラ®(アプレミラスト) 局所療法で効果不十分な場合に服用することができる内服薬です。内服管理が必要な薬剤のため、定期的な受診による評価が必要です。

コムクロ®シャンプー シャンプータイプのステロイド外用剤です。洗髪15分前に塗布してそのまま洗い流すだけであり、広範囲にいっぺんに治療できることが利点です。

ドボベット®ゲル 頭部用のアルコールを使用していないゲル製剤です。ステロイド・ビタミンD3製剤の合剤で1日1回塗布となっています。

②アトピー性皮膚炎治療薬

デュピクセント®(デュピルマブ) アトピー性皮膚炎初のヒト型モノクローナル抗体(生物学的製剤)です。既存の治療で効果不十分な場合適応となりますが、使用に際して十分な知識のある医療施設要件を満たすこと、継続的な治療(16週間以上)が必要かつ高価な薬剤です。

③慢性蕁麻疹治療薬

ゾレア®皮下注(オズリズマブ) 既存の治療で効果不十分な特発性慢性蕁麻疹(6ヶ月以上)におこなう生物学的製剤(分子標的薬)です。気管支喘息でもともと使用されていたものですが、皮膚科領域でも使用可能になりました。高価な薬剤で4週間毎の治療が必要なため、十分な知識のある医療施設での施行が必要になります。

④抗真菌薬

ネイリン®カプセル(ホスラブコナゾール) 20年ぶりに発売された爪白癬用の経口抗真菌薬です。イトラコナゾールと同じくトリアゾール系であり、12週間の服用となります。処方には直接鏡検による皮膚糸状菌の同定が必要です。

⑤抗アレルギー薬

ルパフィン®(ルパタジン) 抗PAF作用を有した初の抗アレルギー薬です。蕁麻疹に適応になっています。抗ヒスタミン効果はデザレックスと同じです。

アレサガ®テープ(エメダスチンフマル酸) レミカット®と同じ成分でサブスタンスPによるヒスタミン遊離抑制、好酸球遊走阻止・浸潤抑制を有する貼るタイプの薬です。現在のところアレルギー鼻炎のみ適応になっています。

デザレックス®(デスロラタジン) ロラタジン(クラリチン®)の活性代謝物です。ロラタジン同様、催眠性の少ない薬剤です。

ビラノア®(ビラスチン) 空腹時に服用するタイプの薬です。催眠性の少ない薬剤のため、日中服用に向いています。

主だったものだけを列挙し簡単に説明していますが、既存の薬は安全性や治療効果についての実績があること、新薬よりも安価であったりジェネリックがあること、長期処方が可能であることなどから、うまく組み合わせて使用していくことが重要と考えます。


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