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ほくろ診断

ダーモスコピー検査

ほくろ診断(ダーモスコピー検査)とは、肉眼で評価が難しい皮膚や爪にみられる、ほくろ、しみ、いぼやできものをダーモスコープという拡大鏡のような機器を使用して詳細に観察する検査*のことを指します。

 

色素性病変(メラニンを有するもの)である色素細胞母斑(ほくろ)、老人性色素斑(しみ)、肝斑、悪性黒色腫(メラノーマ)だけでなく、尋常性疣贅(ウイルス性いぼ)、脂漏性角化症(老人性いぼ)、血管腫や老人性脂腺増殖症、日光角化症、ボーエン病、基底細胞癌などの非色素性病変の評価にも役立ちます。

 

色素細胞母斑

ほくろ(母斑細胞母斑)と言っても部位や発生時期によりさまざまな様相を呈しており、ダーモスコープによる評価が大切になります。特徴的なほくろを分類すると下記のようになります。

 

先天性母斑(巨大先天性色素性母斑、獣毛様母斑など)、後天性母斑(ミーシャ型、ウンナ型、クラーク型など)、青色母斑、スピッツ母斑、表皮系母斑(表皮母斑、脂腺母斑など)、カフェオレ斑、扁平母斑、ベッカー母斑などがあります。

 

脂漏性角化症(老人性いぼ)や老人性色素斑(しみ)、肝斑なども鑑別に挙げることができます。肉眼ではほくろに似ている悪性疾患(基底細胞癌や悪性黒色腫)とほくろの鑑別が難しいため、ダーモスコピー検査による診断なしでほくろ除去はおすすめできません。

ほくろのダーモスコピー

脂漏性角化症

脂漏性角化症は、いわゆる”老人性いぼ”と呼ばれる、角化細胞の良性腫瘍です。ごつごつしていて比較的硬く触れる点がほくろと異なります。初期はしみ(老人性色素斑)ですが、徐々に盛り上がるため悪性黒子(顔面の悪性黒色腫)との鑑別が難しいことがあります。

 

液体窒素凍結療法や炭酸ガスレーザーによる除去ができます。

脂漏性角化症のダーモスコピー

基底細胞癌

皮膚悪性腫瘍のなかでもっとも高頻度でみられます。紫外線が誘引となるため、顔面(とくに鼻を中心に頬のあたり)に好発します。日本人の場合は黒い基底細胞癌が多いのですが、白人の場合はほとんどが赤い基底細胞癌です。

 

肉眼的にはほくろや老人性いぼと区別がつきにくいことがありますが、ダーモスコピーでは特徴的なパターンがあり、鑑別することができます。

基底細胞癌のダーモスコピー

悪性黒色腫

悪性黒色腫(メラノーマ)はできる部位によりその形態を変えるため、肉眼のみで判断することが難しい腫瘍です。

 

  • 顔面:悪性黒子、悪性黒子型黒色腫

  • 躯幹・四肢:表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫

  • 掌蹠(手のひら、足の裏)・爪:末端黒子型黒色腫

 

日本人は人口10万人あたり約2人(年間発生率:1,500〜2,000例)といわれていますが、リンパ節や他臓器への転移・浸潤が高頻度にある皮膚悪性腫瘍のなかでも予後が不良なものです。

 

ほくろや老人性いぼとの鑑別にはダーモスコピーが有用です。

悪性黒色腫のダーモスコピー

診断の流れ

当クリニックでは、検査結果をその場で画像を使って詳しく説明します。検査によって考えられる診断名はかならずお伝えし、診断チェックシートもしくは説明書をお渡しします。画像データを希望の方はお申し出ください(CD-ROMでお渡ししています)。

 

悪性黒色腫(メラノーマ)が疑われる場合や診断が難しい場合は、セカンドオピニオンとして、東京女子医科大学東医療センター田中勝教授、赤坂虎ノ門クリニック大原国章先生などダーモスコピーに精通した医師のいる医療機関に紹介いたします。

 

*ほくろ診断にはダーモスコピー診断料(72点;720円)が加算されます。

初診の場合、初診料(282点)とダーモスコピー診断料(72点)が加算されるため、保険による3割負担の場合は1,000円程度の支払いとなります。

ほくろ診断は1回の診察につき、原則1ヶ所でお願いいたします。別部位のほくろ診断を希望の場合は、前回診察より1ヶ月以上経過した段階で行います。平成30年4月の診療報酬改定により、1回の診察で複数部位のほくろ診断の算定ができなくなっております。ご協力お願いいたします。

上記理由により、保険診療による「ほくろの全身スクリーニング」をおこなっておりません。スクリーニング希望の場合、自費診療にてスクリーニングをおこなっている*東京女子医科大学東医療センター皮膚科に紹介状を作成いたします。

*東京女子医科大学東医療センター皮膚科にてダーモスコピー診察を希望の場合、かならず紹介状が必要となります。

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