2月1日からIgE特異的アレルゲンの採血検査に「成人食物アレルギー13セット」ができるようになります。
検査にて測定できるアレルゲンは、小麦、ω-5グリアジン、エビ、カニ、サバ、ソバ、キウイ、Gly m4、アニサキス、ハンノキ、スギ、カモガヤ、ヤケヒョウヒダニの13項目からなります。
当クリニックでも検査しているView39(吸入系・食物系アレルゲン)と小麦、エビ、カニ、ソバ、スギ、カモガヤ、ヤケヒョウヒダニなどが重複しますが、この検査の重要なポイントとして、ω-5グリアジン、アニサキス、Gly m4が測定できる点にあります。
ω-5グリアジンは小麦に含まれる成分のひとつでグルテンの一成分です。エビ、カニ、キウイなどとならんで、食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)をひきおこす最も頻度の高いアレルゲンです。
アニサキスはマグロ、タラ、イカ、サケ、タラなど遠洋漁業でとれる魚に寄生している寄生虫であり、魚の生食を好む日本人では蕁麻疹やアレルギー症状を起こす頻度の高いアレルゲンです。View39には含まれていないのですが、アレルゲンとしては重要なもののひとつです。
Gly m4は大豆に含まれる一成分で、豆乳アレルギーのときはこれが原因であることが多いとされます。重要なのはシラカンバ(シラカバ)アレルギーがあるひとと交差反応を起こす、花粉関連食物アレルギー症候群(口腔アレルギー症候群)で重要な項目でありながら、いままで簡便に検査できなかったものです。その検査がセットで簡便にできるようになった点は大きいと考えます。
このように、通常の食物アレルギーによる蕁麻疹などだけでなく、食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)や花粉関連食物アレルギー症候群(PFS)の重要アレルゲンも測定可能になっています。食物アレルギーが疑われているのにアレルギー検査ではっきりとした結果が出ていない方は、一度検査をしてみることをおすすめします。
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