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​蕁麻疹

蕁麻疹とは

  • 突然、強いかゆみとともに赤み(紅斑)や蚊に刺されたような症状(膨疹)を生じます。

  • 原因不明のことが多く、皮疹が消えることが特徴です。

  • 体のあらゆる部分にでき、眼の周りやくちびるが腫れることもあります(血管性浮腫)。

  • 消化管が腫れると下痢、喉頭浮腫になると呼吸困難になるため、全身状態も確認します。

蕁麻疹の病因

肥満細胞と呼ばれる粘膜や皮膚に存在する細胞がヒスタミンなどの化学伝達物質を放出することでアレルギー反応が生じ、蕁麻疹がおこります。肥満細胞が活性化する原因として以下のものが考えられています。

 

  1. 細菌感染(風邪などの感染)

  2. 全身性疾患

  3. 物理的刺激(擦過、寒冷、日光、温熱、日光、水など)

  4. 食物

  5. 運動発汗(コリン性蕁麻疹)

  6. バイオリズム

  7. 精神的ストレス

  8. 薬剤

 

これらが直接の原因になるだけでなく、いくつか重なりあって複合的に生じることもあります。

しかし、80%の蕁麻疹は原因不明であることが知られています。

 

アレルギー検査(採血、皮内反応)は、ある程度原因(アレルゲンや薬物など)がわかっている場合や遺伝性血管性浮腫や全身性疾患を疑う場合におこないます。多くの場合は検査を必要としません。

蕁麻疹の治療

蕁麻疹の治療は抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)の内服と原因究明・除去が基本となります。症状が治まらない時、全身に広がるとき、血管性浮腫の症状が強い時などは短期間ステロイド内服・点滴を行うこともあります。また2017年4月より、特発性慢性蕁麻疹に対してオマリズマブ(ゾレア®皮下注)が保険適用になりました。治療抵抗制の慢性蕁麻疹に対して適応になります。

症状が現れない状態になるまで薬物療法を継続していくことが大切です。

蕁麻疹の治療の流れ What's New皮膚科学2014-2015より一部改変

蕁麻疹の治療目標 蕁麻疹診療ガイドラインより一部改変

蕁麻疹の新しい治療方法

特発性慢性蕁麻疹に対して、ゾレア®皮下注(以下ゾレア)による治療をおこなっております。

 

ゾレア(オマリズマブ)は蕁麻疹の原因となる肥満細胞(マスト細胞)に直接作用し、活性化を阻害することでヒスタミンなどの炎症性メディエーターの発現を抑制してくれます。以下の条件を満たす方で、既存の抗アレルギー薬内服で効果を実感できない方は是非ご相談ください。

 

□ 今までの治療で効果不十分

□ 12歳以上

□ 原因不明の蕁麻疹

□ ゾレアに対して過敏症の既往なし

 

ゾレアは月1回皮下注することで治療します。3か月(4回注射)を1クールとして、クール終了時に継続可否を判断いたします。

オマリズマブはヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤とよばれる分子標的薬であり、通常の抗アレルギー剤などとは異なります。皮膚科専門医あるいはアレルギー専門医による診察、治療が必要となりますので、受診時に適応可否の判断が必要です。

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